『杢グレー』のお話。

趣味嗜好

皆さんは「杢」ってご存じですか?

杢:「濃色と薄色が混ざり合った色の生地」という意味です。(ファッションの場合)

今回はそんな「杢」と呼ばれる生地を用いた2種類の服を「アメリカ VS 日本」でご紹介したいと思います!

white painted wall

アメリカの杢グレー

杢グレーは別名「霜降り」と呼ばれていますが、霜降りってお肉でしか聞いた事ないよ…っていう方も居られるかもしれませんね。🥩

※ 杢グレー:黒い綿と白い綿を合わせて作った杢糸から成る生地の事です。(黒と白の綿を用いる事で濃淡が生み出される) ☜ 詳しくは次項の「日本の杢グレー」にて説明します🙇

しかし服好きであれば「霜降り=これだよね!」となるはずです。

それは、

Champion 88/12 です。☟

Championは大多数の方がご存じのアメリカのスポーツ衣料メーカーですよね。では88/12は何を表しているのでしょうか?

正解は、服の生地に対する素材の配合率です。(コットン:88%, レーヨン:12%)

ここでレーヨンのお話もしておきます。rayon(レーヨン)=ray(光線)+cotton(綿)の造語で、シルクに似せて作られた化学繊維です。シルクに似ている事から、手触りの良さや制電効果を持ち合わせています。またデメリットとしましては、水に弱く濡れると縮み易いといった部分が挙げられます。

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私もお気に入りのアロハシャツが雨に濡れ、悲惨な思いをした事があります…😢

hand figure glass

因みに、88/12の生地を用いたTシャツは「ハチハチボディー」「イチニー」等と呼ばれております。

このハチハチボディーに関しましてもレーヨンが含まれているので、肌触りが良く「トロっ」とした生地感を味わう事ができます。また洗濯等で大幅に縮んだ事もなく、安心して着れる1着だと思います。

ノイポチ
ノイポチ

これは本当に名作!

病みつきになる事間違いなしの生地感だよ😊

デメリットを挙げるとするならば生地の柔らかさ故の破れ易さで、ピンホール(小穴)のある個体が多い様に感じます。それに加え値段も徐々に高騰してきています。

狙うなら「今」ですよ!!

まぁ、袖を通さずともこの生地に一度は触れて頂きたいですね。古着屋へ足を運んだ際は是非とも探してみて下さい。

※ 上の写真は私が所有している88/12で、40年程前に作られたモノです。状態も良く一生の相棒ですね。

友達のイラスト「男・肩組み」

日本の杢グレー

続きましては国を変えて日本のお話に移らせて頂きます。

ファッションのあらゆる分野において日本の技術力や品質は素晴らしく、今回のテーマである「杢グレー」に関しましても「これ!」というモノが存在します。

それは、

1887年創業の新内外綿株式会社さんが50年程前に作られた「GR7」です👏

GR7は日本で初めて作られた杢糸の名称ですここで皆さんに知って頂きたい事は、この杢糸のグレーが現在の日本のグレーの基準とされているという事です。

※ GRはGRAYの頭文字で、右の数字は杢の種類によって分けられている様です。

つまり、グレー界のドン」なんです。

ビッグボスのイラスト

前項にて杢グレーについて記載しましたがここで少し詳しく…

杢グレーと一言で言いましてもそれぞれ「品質」には大きな違いがあります。それは杢糸を作る段階で決まります。

アメリカの場合「初期の綿の状態」で黒色に染め、それを白い綿と合わせます。つまり不純物が混ざった状態の綿を使用して杢糸が作られるという事です。そうすると生地は「ざらっ」とした質感になります。※ 88/12に関しましてはレーヨンが含まれている為、その様な質感は感じられません。

対する日本(GR7)の場合は、初期の綿に含まれる不純物をある程度取り除いた上で梳綿(りゅうめん)と呼ばれる工程を施し更に不純物を取り除きます

※ 専門用語の説明はここでは省略させて頂きます。

そうしてできた綿の集まりを黒色に染色するモノと白いまま残すモノで分けます。この様に「着心地と風合い」を追い求めた結果として、非常に丁寧な処理が行われています。

まだここで終わりではないんです!黒い綿と白い綿を合わせて杢糸を作る前段階「元の綿の状態」に戻さなければなりません。

「綿が集まった状態」⇒ 「バラバラの状態」

不純物を取り除く工程を取り入れる事で手間が掛かるのは確かですが、その分最高の生地に仕上がります。

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その生地を用いて作られた商品が「mocT」というブランドで展開されています。因みに、読み方は「モクティー」です。全ての商品がGR7を用いたグレーになりますが、最近では「白」や「グレーにネオンカラーが混じったモノ」も販売されています。

その中でスウェット等に関しては、「吊り編み機」を用いた生地が使われており「ふっくら」感を味わう事ができます。

吊り編み機のお話も書きたい所ではありますが、長くなるので後日にしたいと思います。ただ日本では和歌山県にしか残っていないという事だけお伝えしておきます。

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ノイポチ<br>
ノイポチ

先日吊り編み機工場の見学に行かせて頂いたんだよね~。

驚かされる事ばかりで、

所有している吊り編みパーカーへの愛着が更に増したよ!

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話が少し逸れましたが、私自身もmocTの商品を所有しております。

それがこちらになります。☟

3年前に購入したTシャツですが、「着用・洗濯」を繰り返す度肌馴染みの良い生地感に変化してきています。これは「不純物をしっかり取り除いた綿の状態で染色している事」の賜物と言えます。

🌟皆さんもこの「最強グレー」をワードローブに如何でしょうか?

(シンプルなグレーだからこそ、その点がデメリットになってしまう方も居られるかもしれません…)

mocT (モクティ) (moct-gr7.com)

最後に

私は「服」が好きです。その中でも「制作背景が明確な服」が好きで、どんな拘りを持って、どんな技術素材を使って等を知った上で興味を持った服を購入する事が多いです。そういった服は着用していく事で自分の体に馴染み、自然と長い時間を共に過ごす様になります。また服に対しての情報を知る事は適正価格の理解に繋がると思っています。例えば、値段だけ見て「これ高すぎだろう…」と感じる事もその服の背景を知る事で「この品質なら安いんじゃないか?」と気持ちに変化が起こる事も少なくありません。

皆さんも「mocT」をきっかけにして「服の楽しみ方」を増やしてみて下さい。

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それでは本日もボチボチといきましょう。今回もご覧頂きありがとうございました。

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